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ファイナンス・リースの判定
おはようございます!代表の安田です。 新リース会計基準の導入により、リースとサービス部分を区分して会計処理するケースが増えています。しかし、税務上のファイナンス・リース(FL)判定では、従来と異なる注意点が生じています。 今回は、特に実務で判断が難しいフルペイアウト要件の判定方法についてわかりやすく解説します。 1.会計基準では「リース部分」と「サービス部分」に区分が原則 新リース会計基準では、契約にリースとサービスが混在する場合、次のように会計処理します。 リースを構成する部分 リースを構成しない部分(サービス部分) 契約対価は、それぞれの独立価格の比率に応じて配分します。 ただし借手は、あえて区分せず「全体をリース部分」として処理する選択も可能です。 2.税務上のFL判定も「区分後のリース部分」で判定する 税務上、ファイナンス・リース取引は、 解約不能要件 フルペイアウト要件 の両方を満たした場合に該当します(法人税法64の2)。 会計で区分している場合は、税務でも区分後の「リース部分」の金額でFL判定を行なうことになります。 3.フルペイア
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3 日前読了時間: 3分


海外留学中の子どもにも扶養控除は適用される?
おはようございます!代表の安田です。 年末調整の季節になると、「海外留学中の子どもを扶養に入れられるのか?」という質問をよくいただきます。2025年(令和7年)度税制改正で創設された特定親族特別控除も含め、扶養控除の適用を受けるには、子どもの居住形態が重要なポイントになります。 1.留学中の子どもも扶養控除の対象になるのか? まず、所得税法上「国外居住親族」とは、継続して1年以上国外に居住している親族を指します。したがって、留学期間が1年以上の場合、その子は国外居住親族に該当し、控除を受けるために送金関係書類や親族関係書類の提出が必要になります。 2.1年未満の短期留学は「国外居住親族」ではない 一方で、1年未満の短期留学であれば、子どもは国外居住親族には該当しません。 たとえば3か月の語学留学をしている大学生の子の場合、扶養控除を受けるために送金関係書類を勤務先に提出する必要はありません。 ただし、国税庁のQ&Aによると、実際に生活費などを仕送りしている場合には、その送金を確認できる資料を勤務先に提出することが望ましいとされています。これは法令
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5 日前読了時間: 3分


オペレーティング・リースと短期前払費用
おはようございます!代表の安田です。 令和7年度税制改正により、「法人税法第53条」が新たに整備されました。 この条文は、オペレーティング・リース取引(いわゆる賃貸借取引)に関して、支払うリース料のうち「債務が確定した部分」について、各事業年度に損金算入できることを定めたものです。 これにより、「リース料はいつ損金にできるのか?」という実務上の判断に新しいルールが明示された形です。ただし、この改正によって、これまで多くの企業で活用していた「短期前払費用の特例」との関係に疑問を持つ声が上がっています。 1.そもそも「短期前払費用の特例」とは? 企業会計上、前払費用は「将来の期間に対応する費用」として、支払時点では資産計上するのが原則です(費用収益対応の原則)。 しかし、支払日から1年以内に提供を受ける役務に対して支払う前払費用で、かつ継続的に同様の処理を行なう場合には、支払時点で損金算入してもよいというのが「短期前払費用の特例」(法基通2-2-14)です。 たとえば、3月決算の会社が4月から翌年3月までの1年分のリース料を3月末に支払うケースでは、
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11月29日読了時間: 3分


税務調査でオンラインツールが本格導入へ
おはようございます!代表の安田です。 2025年11月10日、国税庁は 税務行政におけるオンラインツールの利用に関するQ&A(全18問) を公表しました。これにより、税務調査・行政指導等の場面で、オンラインを活用したコミュニケーションが本格化します。 当記事では、企業の経理担当者・税理士・個人事業主に向けて、押さえておきたいポイントをわかりやすく整理します。 1.対象となるオンラインツールと利用される場面 国税庁が利用するオンラインツールは次の4種類です。 インターネットメール(Outlook) Web会議システム(Microsoft Teams) オンラインストレージサービス(PrimeDrive) アンケート作成ツール(Microsoft Forms) 利用場面は幅広く、税務調査、行政指導、滞納整理、査察調査など多岐にわたります。 特に、2025年10月から金沢国税局・福岡国税局で先行導入されており、2026年3月以降は全国の国税局等で順次運用開始 予定です。 2.税務調査もオンライン化するが「納税者が希望しても対面になる場合あり」 オンライ
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11月28日読了時間: 3分


令和7年度改正を踏まえた年末調整の重要ポイント
おはようございます!代表の安田です。 令和7年(2025年)の年末調整は、例年に比べて「改正項目が非常に多い」ことが特徴です。扶養控除・基礎控除・給与所得控除・特定親族特別控除など、複数の制度が同時に改正されており、企業の人事労務・経理担当者にとって要注意ポイントが多い年といえます。 特に従業員側の申告書記載ミスが想定される部分も多く、事前の確認・周知がこれまで以上に重要になります。 本日は実務で押さえるべき主要ポイントを整理して解説します。 1.扶養控除の判定が大きく変わる 特定扶養親族と特定親族(特別控除)の混同に注意! 記事では冒頭から、以下の誤りが典型例として挙げられています。 扶養控除の特定扶養親族として書かれた子を、特定親族特別控除の欄にも二重で記載してしまうケース これは今年の制度改正が原因です。 ● 特定扶養親族(扶養控除枠) 年齢:19歳以上23歳未満 合計所得金額:58万円以下(給与収入 123万円以下) ● 特定親族(特定親族特別控除枠) 年齢:同じく19歳以上23歳未満 合計所得金額:58万円超 123万円以下(給与収入
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11月27日読了時間: 4分


子どもが扶養から外れても控除がゼロにならない
おはようございます!代表の安田です。 年末調整の季節になると、毎年話題になるのが「大学生の子どものアルバイト収入、どこまで稼いでいいの?」 という問題です。 これまでは、扶養控除を維持するために、親が「扶養内におさえてね」と子に働き控えを促すケースが多く見られました。 しかし 令和7年度税制改正 により、今年からは状況が大きく変わります。 ✔ 子が扶養から外れても ✔ 一定の所得範囲であれば ✔ 新設された『特定親族特別控除』が適用されるケースがある この場合、親は最大63万円(従来の扶養控除と同額)の控除を受けられます。 この記事では、大学生の子を持つ家庭や、企業の年末調整担当者が知っておきたい新制度のポイントをわかりやすく解説します。 1.まずは従来の「特定扶養親族」の所得基準が10万円UP 12月1日以後の年末調整から適用される基準は以下のとおりです。 ◆ 特定扶養親族(従来の扶養内)の要件 年齢:19歳以上23歳未満 合計所得金額:58万円以下(給与収入のみだと:123万円以下) 親と生計一(※仕送りなどでOK) 令和7年度改正により所得
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11月26日読了時間: 3分


マイカー通勤手当の非課税限度額が11年ぶりに引き上げ
おはようございます!代表の安田です。 令和7年4月1日以後分にさかのぼって適用、年末調整で精算が必要なケースも 2025年11月19日、通勤手当の非課税限度額を引き上げる改正所得税法施行令が公布され、翌20日に施行されました。マイカー通勤手当の見直しは実に11年ぶりです。 今回の改正は、「令和7年4月1日以後に支払われるべき通勤手当」にさかのぼって適用されるため、同日以後に支給し、改正前限度額に基づき課税されていた部分は年末調整で精算が必要 となります。 企業の人事・経理担当者にとって重要な改正ですので、以下にポイントを整理します。 1.マイカー通勤手当の非課税限度額が距離区分ごとに引き上げ 今回改正されたのは、マイカーなど自動車等による通勤手当の「距離区分ごとの限度額」です。距離区分(2km以上10km未満など)は従来通りで、10km以上の区分が引き上げ対象となります。 【主な改正内容】(一部抜粋) 片道距離 改正前 改正後(令和7年4月〜) 10〜15km 7,100円 7,300円(+200円) 15〜25km 12,900円 13,500
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11月25日読了時間: 3分


スキマバイトから正社員に登用された場合の源泉徴収と年末調整の取扱い
おはようございます!代表の安田です。 1.スキマバイト増加で「丙欄給与」が身近に 近年、「スキマ時間に働く短期バイト(スキマバイト)」が広がっています。日雇いや単発勤務のため、これらの給与は原則として源泉徴収税額表(日額表)の丙欄で税額を計算します。 扶養控除等申告書を提出していない:丙欄・乙欄 扶養控除等申告書を提出している:甲欄 丙欄給与は1日9,300円未満なら源泉徴収不要 この「丙欄給与」で働いていた人が、同じ会社で正社員(甲欄)になったり、別の会社に就職したりするケースが増えており、年末調整での扱いに注意が必要です。 2.同じ会社でスキマバイトから正社員になった場合 スキマバイト先の会社でそのまま正社員として採用され、扶養控除等申告書を提出した場合には、給与区分が「丙欄」から「甲欄」に変更されます。 このときのポイントは次の通りです: 年の途中で「丙欄給与」→「甲欄給与」に変わっても、同一会社での支給分は合算して年末調整の対象 源泉徴収票の摘要欄には、日雇時代の給与を特別に記載する必要なし(同一社内で完結) (例) A社でスキマバイト(
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11月24日読了時間: 3分


相続税・贈与税の改正ポイント
おはようございます!代表の安田です。 本日は、令和7年度税制改正で示された「相続税・贈与税関係」の主な改正内容についてご紹介します。相続・贈与の実務に関わる方にとって重要な改正が複数含まれています。 1. 相続税の物納制度の見直し これまで、相続税を金銭で納付できない場合に認められる「物納」について、計算上の限度額が厳しく、生活資金が圧迫されるケースがありました。今回の改正により、延納期間終了後の当面の生活費を物納許可限度額に加算できるようになります。これにより、納税者の生活に一定の配慮がなされる形となります。 2. 結婚・子育て資金贈与の非課税措置の延長 直系尊属(祖父母や父母)からの結婚・子育て資金の一括贈与に係る非課税制度が、令和9年3月31日まで延長されます。少子化対策や若年世代の生活支援の観点から、引き続き活用できる制度となっています。 3. 農地・山林に関する納税猶予制度の見直し (1)農地等 受贈者や相続人が農業を続けられなくなる「故障」の範囲に、介護医療院への入所が追加されました。これにより、一定の貸付を行なった場合でも納税猶予が
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11月23日読了時間: 2分


「経過リース期間定額法」適用には届出が必要
おはようございます!代表の安田です。 2025年度の税制改正(令和7年度改正)により、リース資産の償却に関するルールが大きく見直されました。特に、所有権移転外リースにおける残価保証額の取扱いが変わることで、これまで償却できなかった部分も含めた減価償却が可能になります。 そのための選択肢として新たに登場したのが「経過リース期間定額法」です。 今日はこの新しい償却方法の概要と、適用のために必要な届出について解説します。 ■従来の取扱い:残価保証額は償却できなかった これまで、所有権移転外リースの資産に設定される「残価保証額」は、リース期間定額法での減価償却の対象外とされていました。つまり、契約終了時の残価が保証されている分は償却できず、損金算入の対象から除外されていました。 ■新制度:残価保証額も償却対象に 令和9年4月1日以後に締結される所有権移転外リース契約については、残価保証額を控除せず、リース期間全体で均等償却することが可能になります。これにより、リース資産の「取得価額全体」を償却対象とすることができ、最終的には備忘価額まで償却できるようにな
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11月22日読了時間: 3分


令和7年分・8年分の扶養控除申告書で注意すべきポイント
おはようございます!代表の安田です。 2025年(令和7年)12月以後に実施される年末調整から、令和7年度税制改正による新ルールが施行されます。具体的には、以下のような大きな変更があります。 扶養親族・配偶者などの所得要件の引上げ 特定親族特別控除の新設(19歳以上23歳未満が対象) 源泉控除対象親族の定義変更 「簡易な申告書」制度の導入(異動なしの場合の省略可) これらの改正により、申告書の記載内容や対象親族の扱いが変わるため、従業員・経理担当者ともに注意が必要です。 1.令和7年分(2025年提出)の主な変更点 (1)所得要件が10万円引き上げ 令和7年度税制改正により、以下の対象者の所得基準が引き上げられました。 区分 改正前 改正後 扶養親族・同一生計配偶者 合計所得金額48万円以下(年収103万円以下) 合計所得金額58万円以下(年収123万円以下) 勤労学生・ひとり親の子など 同上 同上 これにより、これまで該当しなかった家族が新たに扶養親族等に該当するケースが生じます。たとえば、所得が年収120万円前後の配偶者や子がいる従業員は、扶
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11月21日読了時間: 4分


外形標準課税と賃上げ促進税制
おはようございます!代表の安田です。 令和6年度税制改正により、資本金1億円以下であっても外形標準課税の対象となるケースが生じています。これに伴い、従来は大法人のみが対象だった外形標準課税における賃上げ促進税制についても、中小企業者等であれば適用できる道が開かれました。 1. 適用できる事業年度 対象は 令和7年4月1日から令和9年3月31日までに開始する各事業年度 法人税の賃上げ促進税制を受けているかどうかは問われず、独立して適用可能 2. 適用要件 雇用者給与等支給額が前年度比1.5%以上増加していること 付加価値割の課税標準から、給与増加額相当を控除できる 算定にあたっては、雇用安定助成金などの扱いに注意が必要(増加割合算定時と控除額算定時で取扱いが異なります) 3. 法人税との違い 法人税の制度と大きく異なる点は、当初申告要件がないことです。確定申告書に加え、修正申告や更正請求の際に「給与等支給額増加に関する明細書」を添付すれば、遡って適用することも可能です。 4. 雇用安定控除との調整 賃上げ促進税制の控除額は、雇用安定控除を適用した後
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11月20日読了時間: 2分


適格合併における「事業関連性要件」
おはようございます!代表の安田です。 今回は、組織再編税制における「適格合併」の要件の一つである 事業関連性要件についてのお話です。中小企業やグループ法人においても重要な論点ですので、ぜひご参考ください。 1. 適格合併とは? 法人税法上、一定の要件を満たす合併は「適格合併」として取り扱われます。 適格合併に該当すれば、資産や負債の移転に伴う含み益を課税繰延べできるため、課税を回避できるメリットがあります。 ただし、適格要件を満たさない場合は「非適格合併」となり、移転資産に時価課税がされるため注意が必要です。 2. 事業関連性要件とは? 特に、支配関係のない法人間の合併では、 金銭等不交付要件 共同事業要件 の2つを満たす必要があります。 このうち共同事業要件の一部が「事業関連性要件」です。これは、 合併法人(存続法人)のいずれかの事業 と 被合併法人の「主要な事業」が、実態を備えたうえで相互に関連していること を求めるものです。 3. 「関連する事業」と認められる例 事業関連性要件では、「同種事業」である必要はなく、業態が異なっていても関連性が
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11月19日読了時間: 2分


住宅ローンの「控除申告書等」をなくしたときの対応方法
おはようございます!代表の安田です。 住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)は、1年目は確定申告で手続きを行ないますが、2年目以降は勤務先の年末調整で控除を受けることが可能になります。 このとき必要となるのが、税務署から交付される「年末調整のための住宅借入金等特別控除証明書および給与所得者の住宅借入金等特別控除申告書兼計算明細書」(以下、「控除申告書等」)です。 勤務先にこの書類を提出しないと、住宅ローン控除を受けることができません。そのため、年末調整時期に紛失してしまうと焦る方も多いのですが、再交付手続を行なえば問題ありません。 1.再交付は「所轄税務署」へ申請 もし「控除申告書等」を紛失・破損してしまった場合は、所轄税務署長に「交付申請書」を提出することで再交付を受けられます。提出する書類の正式名称は次の通りです。 「年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金等特別控除関係書類の交付申請書」(措置法41の2の2) この申請書には、以下の項目を記載します。 住宅への居住開始年月日 初年度の確定申告で控除を受けた年分 再交付を求める理由(紛失・破
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11月18日読了時間: 3分


税務調査のオンライン化
おはようございます!代表の安田です。 国税庁は2025年10月17日、税務調査や行政指導などの業務でオンラインツールを活用できる仕組みを全国的に導入する方針を公表しました。この取組みは、政府共通の業務基盤「ガバメントソリューションサービス(GSS)」の導入に伴うもので、法人・個人を問わず、すべての税目(法人税・消費税・所得税・相続税など)に対応しています。 すでに金沢国税局と福岡国税局では運用が始まっており、その他の国税局でも令和8年3月以降に順次拡大される予定です。 1.どんなオンラインツールが使えるのか? 国税庁の発表によると、以下のツールを必要に応じて利用できるようになります。 区分 ツール名 主な利用目的 メール連絡 インターネットメール 税務職員との基本的なやりとり Web会議 Microsoft Teams 税務調査や面談のオンライン実施 ファイル共有 PrimeDrive(オンラインストレージ) 大容量データ(帳簿・資料等)のやりとり 登録・同意 Microsoft Forms メールアドレス登録や同意事項の確認...
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11月16日読了時間: 3分


大企業向け令和8年度税制改正要望のポイント
おはようございます!代表の安田です。 令和8年度に向けて各府省庁からの税制改正要望が出揃い、大企業に関係する重要な論点が浮かび上がってきました。本記事では、その中でも注目度の高い項目を整理しました。 1. 研究開発税制の見直し 経済産業省は、量子技術やAIといった 戦略技術領域を対象とする新類型「戦略技術領域型」 の創設を要望しています。 法人税額控除の上限を既存制度とは別枠で設ける 控除率のインセンティブ強化 繰越制度の導入 といった点が盛り込まれており、国際的なイノベーション競争を意識した制度設計となっています。 2. 投資促進税制の新設 「大胆な投資促進税制」 として、建物・機械設備・ソフトウェア等への投資について、5年間の時限措置で税額控除や即時償却を可能とする新制度が求められています。企業規模を問わず適用可能とされ、国内投資の活性化が狙いです。 加えて、カーボンニュートラル投資促進税制の延長や要件見直しも要望されており、脱炭素関連投資への後押しも継続する見込みです。 3. 組織再編税制(スピンオフ税制)の拡充 現在の「パーシャルスピンオ
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11月15日読了時間: 2分


中小企業経営強化税制「E類型」導入時の落とし穴
おはようございます!代表の安田です。 1.令和7年度改正で新設された「E類型」とは 令和7年度税制改正で、中小企業経営強化税制に新たに「E類型(経営規模拡大型)」が追加されました。E類型では、従来対象外であった建物も税制優遇の対象となるなど、適用範囲が広がっています。 ただし、このE類型には他の優遇制度との併用ができない重要な制約がある点に注意が必要です。 2.E類型と「30万円特例」「中小企業投資促進税制」は併用不可 多くの中小企業で利用されている次の2つの税制特例は、E類型と同一期間に適用できません。 制度名 内容 所得税・法人税上の根拠 少額減価償却資産の特例(30万円特例) 1個30万円未満の資産を全額損金算入 租税特別措置法第67条の5第1項 中小企業投資促進税制 設備投資額の特別償却や税額控除が可能 同法第42条の6第1項 国税庁の改正概要によると、E類型の認定を受けた経営力向上計画に記載した設備等については、上記2つの制度の対象から除外されると明示されています。 つまり、E類型の投資計画期間中に取得した資産については、「30万円特例
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11月14日読了時間: 3分


グループ通算制度の「承認申請書」は取り下げ可能?
おはようございます!代表の安田です。 2022年(令和4年)4月1日以後に開始する事業年度から導入されたグループ通算制度。 これは、従来の「連結納税制度」に代わる新しいグループ課税制度で、親会社と子会社など一定の関係にある法人を1つのグループとして税務上通算計算できる仕組みです。 制度を利用するには、事前に国税庁長官の承認(みなし承認)を受ける必要があります。このとき提出するのが「グループ通算制度の承認の申請書(以下、承認申請書)」です。 1.承認申請の基本ルール 通算制度を適用する場合、同じ通算グループに属する法人が全員連名で承認申請書を提出しなければなりません。提出先は、通算親法人となる会社の所轄税務署長を経由して国税庁長官宛てとされており、提出期限は以下の通りです。 🔹 提出期限:通算制度の適用を受けようとする最初の事業年度開始日の3か月前まで たとえば、3月決算の会社が令和9年3月期から通算制度を適用したい場合、提出期限は令和7年12月末までとなります。 2.承認申請書は「みなし承認」前なら取下げ可能 承認申請書を提出した後に、経営判断
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11月13日読了時間: 3分


コンビニでの確定申告書や届出書の印刷
おはようございます!代表の安田です。 本日は コンビニでの確定申告書や届出書の印刷サービスのお話しです。 1.令和7年10月から「コンビニ印刷サービス」がスタート 国税庁は、令和7年(2025年)10月から、全国のコンビニエンスストアに設置されたマルチコピー機で、所得税・消費税などの申告書や届出書を印刷できる新サービスを開始しました。 これまで申告書を入手するには、 税務署窓口での配布 国税庁ホームページからPDFをダウンロードして自宅プリンタで印刷 が主な方法でしたが、今回のサービスにより、プリンタを持っていない方でも、いつでも必要な申告書を入手できるようになりました。 2.利用できる店舗と対応マルチコピー機 このサービスを利用できるのは、以下のコンビニエンスストアに設置されたシャープ株式会社製のマルチコピー機です。 利用可能店舗 備考 ファミリーマート 全国ほぼ全店に設置 ローソン 一部地域を除き利用可能 ミニストップ 対応機種のある店舗に限る ポプラグループ 対応店舗で利用可 印刷対象は「国税庁ホームページ掲載の各種様式」で、最新の申告書・
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11月11日読了時間: 3分


令和8年分「扶養控除等申告書」の変化点
おはようございます!代表の安田です。 令和7年度税制改正により、令和8年分(2025年分)から「扶養控除等申告書」の記載内容が一部変更されます。最大のポイントは、新設された「特定親族特別控除」に対応するため、B欄(扶養親族欄)に記載する対象者の範囲が見直されたことです。 これまでB欄には「控除対象扶養親族」(16歳以上で所得58万円以下の親族)を記載していましたが、令和8年分からは、「源泉控除対象親族」を記載することになります。 1.「源泉控除対象親族」とは?新設の定義に注意 新たに記載対象となる「源泉控除対象親族」は、次のいずれかに該当する方をいいます。 ① 控除対象扶養親族(所得58万円以下・16歳以上) ② 19歳以上23歳未満で、所得58万円超100万円以下の親族 後者②が、令和7年度改正で創設された「特定親族特別控除」の対象です。つまり、大学生などで一定のアルバイト収入があるお子さんなどが、これに該当するケースが想定されます。 扶養控除等申告書では、B欄の該当者欄に「源泉控除対象親族」として記載し、さらに該当する場合には「特定親族」欄に
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11月10日読了時間: 3分
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