top of page

税制改正)不動産小口化商品は「取得時期に関係なく時価評価」へ

  • yasuda-cpa-office
  • 34 分前
  • 読了時間: 3分

おはようございます!代表の安田です。


令和8年度税制改正では、相続税・贈与税の分野において不動産小口化商品の評価方法が大きく見直されることとなりました。


不動産小口化商品は、これまで相続・贈与対策の一環として利用されるケースも多く見られましたが、今回の改正により、従来想定されていた評価減効果は原則として期待できなくなります。


本日は、改正の内容と実務への影響を分かりやすく解説します。


1.不動産小口化商品とは

不動産小口化商品とは、主に次のような仕組みを指します。

  • 不動産特定共同事業契約

  • 一定の信託受益権に係る金融商品取引契約

に基づき、一つの貸付用不動産を小口化し、複数の投資家が出資する仕組みです。

投資家は、

  • 不動産を直接所有することなく

  • 比較的少額で不動産投資に参加できる

というメリットがある一方、相続税評価では通達評価を基にした低い評価額が適用されるケースがありました。


2.改正の背景

市場価格と評価額の乖離への対応

税務当局が問題視してきたのは、

  • 実際の市場価格は高額であるにもかかわらず

  • 相続税評価額が大幅に低くなる

という市場価格と通達評価額の大きな乖離です。


特に、不動産小口化商品では、

  • 個々の不動産の収益性

  • 実際の取引価格

が評価額に反映されにくく、結果として 相続税・贈与税が過度に圧縮される事例 が見られました。


これまでは、財産評価基本通達総則6項(著しく不適当な場合の個別評価)で対応してきましたが、

  • 納税者の予測可能性が低い

  • 課税の公平性を欠く

との指摘を踏まえ、評価方法そのものを明確に見直すこととなりました。


3.改正のポイント

取得時期を問わず「通常の取引価額」で評価

改正後は、

  • 不動産小口化商品の取得時期に関係なく

  • 相続・贈与の課税時点における

  • 通常の取引価額に相当する金額

によって評価することとされます。

これは、「いつ購入したか」「相続直前かどうか」に関わらず、常に実勢価格ベースで評価するという点が大きな変更点です。


4.「通常の取引価額」の具体的な考え方

通常の取引価額については、課税上の弊害がない限り、次のような金額を基に評価することが認められます。

  • 事業者が投資家に提示する適正な処分価格・買取価格

  • 事業者が把握している適正な売買実例価額

  • 定期報告書等に記載された不動産の価格情報

これらの情報が確認できない場合には、一定の補完的な方法により評価されることになります。


実務上は、相続・贈与のたびに、事業者から価格情報を取得できるかが重要なポイントになります。


5.適用時期と影響

この見直しは、2027年(令和9年)1月1日以後に発生する相続・贈与から適用されます。


<想定される影響>

  • 過去に節税目的で購入した不動産小口化商品についても改正後は評価減のメリットを享受できない可能性

  • 相続対策としての利用価値が大きく低下

  • 小口化不動産市場における売却増加や価格への影響も想定される


税理士の視点:今後の相続対策で注意すべき点

今回の改正を踏まえると、

  • ✔ 不動産小口化商品を前提とした相続対策は再検討が必要

  • ✔ 「評価が下がる」ことを前提とした商品提案には注意

  • ✔ 既に保有している場合は、将来の相続税負担を含めた再シミュレーションが重要


特に、「相続税対策になると言われて購入した」

というケースでは、改正後の評価方法を前提にした見直しが不可欠です。


まとめ

不動産小口化商品の評価方法の見直しは、

  • 相続税・贈与税の公平性を高める一方

  • 従来の節税スキームに大きな影響を与える

重要な改正です。


取得時期に関係なく実勢価格で評価されるため、相続対策としての考え方は大きく転換点を迎えたといえます。


神戸 公認会計士 決算支援 開示書類作成

コメント


bottom of page