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後発事象の会計基準

  • yasuda-cpa-office
  • 8月26日
  • 読了時間: 2分

おはようございます!代表の安田です。


2025年7月、企業会計基準委員会(ASBJ)は、会計実務に大きな影響を与える「後発事象に関する会計基準(案)」を公表しました。この動きは、従来の実務ルールを見直し、より国際的な基準に近づけるものとして注目されています。


後発事象とは?基本をおさらい

「後発事象」とは、決算日以後に起きた出来事のうち、財務諸表の利用者にとって重要な情報となりうるものを指します。たとえば、決算締め後に大きな損害が発生した場合、それが財務諸表に影響する可能性があります。

これまでは、日本公認会計士協会(JICPA)の監査基準報告書に基づき、後発事象の扱いが監査の視点から整理されていましたが、今後は会計基準として明確に位置づけられる予定です。


大きな改正ポイント:基準日が「監査報告書日」から「公表の承認日」へ

最も注目すべき変更点は、「後発事象の基準日」の見直しです。従来は「監査報告書日」が基準とされていましたが、新しい会計基準案では、これを「財務諸表の公表の承認日」とする方針が示されました。

これは、国際会計基準(IFRS)との整合性を高めるための措置であり、実務上の判断時点が明確化されるメリットがあります。


日本独自の特例も継続へ

一方で、今回の基準案では、特に上場会社等における「開示後発事象」について、日本独自の実務慣行も維持されます。

たとえば、財務諸表の最終確認後に重要な事象が発生した場合でも、その情報を注記として開示することが求められるなど、「実務上の柔軟性」を保った構成になっています。これは、投資家などの利害関係者への情報提供の実効性を重視した設計です。


適用は2027年4月からの見込み

本会計基準案は現在パブリックコメントを募集中で、2026年3月までに最終化されれば、2027年4月以降に開始する事業年度から適用される予定です。

早期適用の制度は設けられていないため、企業にとっては今後2年弱の間に社内体制や開示方針の見直しを進める必要があります。


まとめ

後発事象に関する情報は、決算書の信頼性や企業の説明責任に深く関わるものです。新しい会計基準では、判断タイミングがシビアになると同時に、注記の重要性も高まります。

今後、適用開始に向けた準備が求められますので、顧問先の皆さまには順次ご案内してまいります。社内の会計処理や開示ルールに不安がある場合は、どうぞお気軽にご相談ください。



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