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住民税均等割の表示区分見直しの動き

  • yasuda-cpa-office
  • 8月21日
  • 読了時間: 2分

おはようございます!代表の安田です。


今回は、企業会計基準委員会(ASBJ)で議論が進んでいる「住民税均等割の会計処理」見直しについてご紹介します。実務に影響する可能性があるため、今後の動向に注目していただきたいポイントです。


背景:法人税等会計基準の見直し

ASBJでは、2025年5月から「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」の見直しに着手しています。従来の基準は「税金ごとに個別の取扱いを定める方式」でしたが、今後は

  • 「課税対象利益を基礎とする税金」という原則定義を設ける

  • その定義に該当する税金を補足文書で列挙する

という形に改める方向性が検討されています。


住民税均等割の位置づけの変更可能性

現行制度では、住民税均等割は「法人税、住民税及び事業税」の区分に含められ、損益計算書では「税引前当期純利益の下」に表示されています。

しかし、新しい原則定義では「住民税均等割は課税対象利益を基礎とする税金に該当しない」とされる可能性が高いです。その場合、

  • 住民税均等割は 販売費及び一般管理費などの営業費用として表示

  • その結果、税引前当期純利益の金額が変わる

という実務上の影響が見込まれます。


実務への影響

この見直しが実施されると、以下の点に注意が必要です。

  1. 損益計算書の利益表示税引前当期純利益が従来より増加する可能性があるため、経営分析や対外的な指標に影響。

  2. 税効果会計の注記税率差異分析(法定実効税率との差異の注記)において、住民税均等割の扱いが変わる可能性。

  3. 管理会計・内部分析営業費用に含められることで、管理会計に基づく利益管理や予算策定にも影響が及ぶ。


まとめ

今回の見直しは、単なる表示区分の変更にとどまらず、利益数値の算定や税効果会計の注記、ひいては経営分析にまで影響する可能性があります。まだ検討段階ではありますが、企業会計に携わる皆さまは今後のASBJの審議を注視していく必要があります。

当事務所でも、最新の基準動向をフォローし、クライアントの皆さまに分かりやすくご案内してまいります。




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