青色事業専従者給与の金額の変更
- yasuda-cpa-office
- 3 日前
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おはようございます!代表の安田です。
おはようございます!代表の安田です。
令和7年度の税制改正により、所得税の基礎控除や給与所得控除が引き上げられました。これを受けて、個人事業主の方の中には「青色事業専従者給与」の支給額を見直したいと考える方も多いのではないでしょうか。
しかし、単に税金がかからなくなるからといって給与額を引き上げると、税務上否認されるリスクがある点に注意が必要です。
■ 青色事業専従者給与とは?
青色申告者が、生計を一にする配偶者や親族に給与を支払う場合、一定の要件を満たせばその給与を必要経費として認めることができます。これが「青色事業専従者給与の特例」です。
必要経費として認められるには、以下の4要件を満たす必要があります。
専従者が青色申告者と生計を一にし、年齢15歳以上であること
その年のうち6か月超(または従事可能期間の過半数)事業に専ら従事していること
「青色事業専従者給与に関する届出書」を期限内に提出していること
労務の対価として相当と認められる金額であること
■ 改正後の控除額で支給額160万円もOK?
従来、配偶者などに支給する給与を「103万円以内」に抑えていたケースが多くありました。これは、基礎控除48万円と給与所得控除55万円の合計で、103万円以下であれば所得税が課されなかったからです。
しかし、2025年(令和7年)分以降は、基礎控除が95万円、給与所得控除が65万円となり、年収160万円以下であれば所得税が課されなくなります。
「それなら支給額を160万円に増やしても大丈夫では?」という声もありますが、単なる控除額の改正を理由とする増額には妥当性が必要です。
■ 妥当性のない支給変更は認められない
支給額の変更には「青色事業専従者給与に関する変更届出書」を提出すればよい――というわけではありません。変更の理由が「労務の対価として妥当」である必要があります。
以下のようなケースであれば、支給額変更が認められる可能性があります。
すべての従業員(パート含む)の給与水準を引き上げる中で、専従者の給与も見直す
家族経営で他の従業員がいない中、業務量が増加し、対価として増額する必要がある
逆に、「控除額が上がったから」という理由だけでは、変更届が認められないこともあるので注意が必要です。
■ 実務ポイント:変更は事前に届け出を
変更届出書の提出に明確な期限はありませんが、「遅滞なく」、かつ「変更前に」提出するのが原則とされています。事後的な届出では否認されるリスクがあります。
■ まとめ:支給額見直しは理由と手続きが肝心!
青色事業専従者給与の支給額を見直す際には、次の点を押さえておく必要があります:
増額の理由に妥当性があるか
支給変更前に「変更届出書」を提出しているか
他の従業員の給与や業務内容の変化と整合性があるか

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