税務調査時の預貯金等のオンライン照会
- yasuda-cpa-office
- 9 時間前
- 読了時間: 2分
おはようございます!代表の安田です。
国税当局による税務調査の現場では、預貯金・保険・証券等の情報取得が“オンライン”で行われる時代に突入しています。かつては金融機関への照会に数週間かかっていたものが、今やわずか数日で情報取得可能となり、税務調査の迅速化が著しく進んでいます。
2024年度のオンライン照会件数はついに835万件に達し、金融機関だけでなく、生命保険会社や証券会社にも拡大されつつあります。
■急増する「オンライン照会」の現状とは?
年度 | 照会件数 |
令和3年度(導入初年) | 約28万件 |
令和4年度 | 約263万件 |
令和5年度 | 約588万件 |
令和6年度 | 約835万件 ←3年間で約30倍! |
2021年(令和3年)に開始されたこの制度ですが、対応金融機関の数は当初の37行から令和6年度末には431行にまで拡大。国内の銀行の7割以上が対象となっており、メガバンクはもちろん、地銀、信用金庫、インターネット銀行まで幅広く含まれています。
■保険会社・証券会社にも拡大中
令和4年度から生命保険会社の契約情報もオンライン照会対応(現在6社)
令和6年度から証券会社の口座情報にも拡大(現在2社)
これにより、従来の銀行口座に加え、保険・証券分野にも国税の照会の目が届く体制が進行中です
■今後の見通し:キャッシュレス業者・カード会社も照会対象に?
国税庁は、さらなる効率化を図るために次のような方針を打ち出しています:
照会対象期間の延長(過去数年分まで遡る)
オンライン照会対応機関の拡大
資金決済事業者(〇〇ペイ等)やクレジットカード会社への対応要請も検討中
これにより、「隠し口座」や「現金化した資金の動き」もより詳細に把握できるようになる見込みです。
■実務上の留意点:調査前から“見られている”という認識を
税務調査において、これまでは「金融機関への照会は時間がかかるためハードルが高い」とされていましたが、現在はスピーディに広範囲な情報が取得可能となっています。
そのため、以下のような対応が企業や個人にも求められます:
口座名義と実態の一致(名義貸しや資金のプールに注意)
現金預金の残高管理と帳簿記録の整合性の確保
保険・証券商品の取引履歴も税務署側で把握されることを想定した備え
■まとめ:デジタル時代の税務調査に備えを
国税庁のオンライン照会システムの進展により、「見られる範囲」は確実に広がっています。今後は、帳簿・取引・資金の流れにより厳密な整合性が求められる時代です。

Comments