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短期リースの取り扱い

  • yasuda-cpa-office
  • 7月28日
  • 読了時間: 3分

おはようございます!代表の安田です。


新基準では、「短期リース」はリース開始日から12カ月以内に終了し、購入オプションが付いていないリースを指します。たとえば、1年契約で事務機器などを借りる契約がこれに該当する可能性があります。


このような短期リースについては、従来どおりリース料を定額法で費用処理(賃借料として処理)することが認められています。つまり、資産計上やリース負債の認識を省略できるため、経理処理が簡素になります


会計処理の選択肢と適用単位

短期リースの会計処理は、

  • 「資産の科目ごと」

  • 「用途が似ている資産のグループごと」

のいずれかで一括して適用可否を判断できます。これは企業側の実務に合わせて柔軟に運用できる点で実務負担の軽減にもつながります。


また、連結財務諸表では個別財務諸表で行った選択を見直す必要はありません。これはグループ全体の会計処理の一貫性を保ちつつ、事業会社ごとの実務にも配慮した設計です。


「リース期間」の判定がカギ

新基準では、「借手のリース期間」を用いて短期リースに該当するかを判定します。ここでいうリース期間とは、

  • 解約できない期間

  • 行使が合理的に確実な延長オプション期間

  • 行使しないことが合理的に確実な解約オプション期間

などを含んだものです。単なる契約書上の期間ではなく、経済的実態に基づいて判断する必要があります。

なお、いわゆる「少額リース」(300万円基準)では契約期間での判定が可能とされていますが、短期リースでは契約期間ではなく「リース期間」での判断が必要ですので、ここは要注意です。


リース期間変更時の取り扱い

一度短期リースと判定した後に期間延長があった場合でも、延長後も合計で12カ月以内であれば短期リース扱いを継続できます。この点も、柔軟な運用が可能となっており、実務上も取り扱いやすい設計といえるでしょう。


初年度適用時の経過措置

新基準初年度では、旧基準で「ファイナンス・リース」としていたものを見直す必要はありません。また、旧来の「オペレーティング・リース」や新たに識別されたリースも、期首から12カ月以内に終了する場合は、短期リースとして処理可能です(1件ごとに判定)。


まとめと実務アドバイス

短期リースの定義は一見シンプルですが、「リース期間」の見極めやグルーピングの選択など、実務では判断が分かれる場面も少なくありません。

特に新基準の初年度では、旧契約の取り扱いや処理方針の確認が必要になるため、会計方針の整備と社内の経理処理マニュアルの見直しが重要です。

ご不明点がございましたら、当事務所にて会計処理方針の検討や文書化のサポートも承っております。お気軽にご相談ください。




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