東証の「特別注意銘柄」とは?
- yasuda-cpa-office
- 19 時間前
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おはようございます!代表の安田です。
本日は東証における「特別注意銘柄」について解説します。
1.「特別注意銘柄」とは?
重大な上場規則違反の疑いがあり、内部管理体制の改善が必要と認める会社に対して指定を東証が行なう制度です。
指定を受けた企業は、原則として1年以内に内部管理体制を整備・運用し直すことが義務付けられます。内部統制の不備や不適切会計、開示不備などが主な指定理由です。
2.指定を受けた後の流れ ― 3つのパターン
分かりやすくまとめますと。。。
①「整備」も「運用」も適切 → 指定解除(クリア)
②「整備」が不適切 → 上場廃止
③「整備は適切」だが「運用が不十分」 → 指定継続(猶予)
③の場合、原則次の流れになります:
指定継続決定日の属する事業年度末から3か月以内に「2回目の審査」
そこで運用不備が続けば上場廃止
改善が認められれば指定解除
3.「経過観察期間」がつく場合もある
仮に整備・運用が認められたとしても、
事業の収益性や継続性に懸念がある
上場維持基準に適合していない
と判断された会社は、最長3年間の経過観察期間に置かれます。この期間中も毎年審査があり、改善が見られなければ上場廃止となる可能性があります。
4.過去の実績 ― 半数が改善、半数が上場廃止
制度が導入された2007年から2023年末までに約40社が指定されています。そのうち:
約半数は内部管理体制の改善が認められ、指定解除
残り半数は上場廃止
さらに、上場廃止となった企業の半数は、「改善が認められず指定継続のまま上場廃止に至った」ケースでした。
直近(2024年1月以降)に指定された6社のうち、ニデックを除く5社には上場契約違約金が課されており、監視が強化されている状況です。
5.公認会計士からのコメント
上場企業にとって「特別注意銘柄」指定は深刻なレピュテーションリスクであり、資金調達、株価、取引先との関係にも大きく影響します。
特に重要なのは:
内部統制報告制度(J-SOX)との整合性確保
取締役会・監査役等によるモニタリング強化
ガバナンス不備の早期発見・改善
経営管理部門・経理部門が連携し、社内統制の整備・運用状況を定期的に点検することが不可欠です。


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