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東証がTPM上場企業に「上場目的の開示」を要請へ|年1回の評価開示・一般市場へのステップアップ支援も検討

  • yasuda-cpa-office
  • 16 時間前
  • 読了時間: 4分

おはようございます!代表の安田です。


プロ投資家向け市場であるTOKYO PRO Market(TPM)は、上場基準に形式要件がないなど柔軟な制度設計を背景に、上場社数が増加しています。こうした中、東京証券取引所(東証)は、TPMの全上場企業に対し、上場目的の開示を要請する方向で検討を進めていると報じられました。


本日は、東証が検討する「上場目的の開示」の内容と狙い、TPM上場企業・上場準備企業が実務で備えるべきポイントを、公認会計士の視点で整理します。


1. 東証が要請する「上場目的の開示」とは?(新規上場時+上場後の継続開示)

報道によれば、東証は今年春頃を目途に、TPMの新規上場時および上場後において「上場目的の開示」を要請する方向性を示しています。


<新規上場時に求める開示イメージ>

上場時には、以下のような点の開示を求める方針とされています。

  • なぜTPMに上場するのか

  • TPMをどのように活用していくのか


<上場後に求める開示イメージ(年1回以上)>

上場後は、年1回以上、以下の開示を求める方向とされています。

  • 上場目的の実現状況の評価

  • 目的を十分に実現できていない場合の対応方針


なお、これらの開示はJ-Adviserのサポートを受けながら進めることが想定されています。


2. なぜ今「上場目的の可視化」なのか:関係者との接点づくりが狙い

TPMでは、一般市場へのステップアップを目指す企業だけでなく、

  • M&A・資本提携の相手探し

  • 知名度・信用力の向上

  • 社内体制整備の段階的なステップ

など、多様なニーズで上場する企業が存在します。


東証は、各社の上場目的を可視化することで、目的に応じた関係者との接点づくりに寄与する狙いがある、とされています。「TPM=一般市場への踏み台」という単純な位置づけではなく、企業の多様な戦略を前提に見える化しようとする動きといえます。


3. TPM上場社数は増加傾向:グロース上場維持基準の厳格化も背景

資料では、TPMが「非上場と一般市場の間に位置する市場」と説明され、グロース市場の上場維持基準の厳格化も相まって、上場を目指す企業が増えているとされています。また、上場会社数は年々増加し、当年は3月31日までに13社の上場が見込まれるとも報じられています。


4. 一般市場への「ステップアップ支援」も検討:上場審査の効率化や書類様式の共通化

東証は、一般市場への上場を目指す企業の支援として、TPM上場企業としての実績を勘案し、一般市場に上場する際の上場審査プロセスを効率化できないか検討するとしています(目途は今年秋頃)。

さらに、一般市場の有価証券報告書に相当する「発行者情報」と有報の様式を共通化し、有報固有の部分は任意記載とする方向も示されています。


実務的な意味合いステップアップを目指す企業にとっては、TPM上場後の運用が「次の市場で求められる開示・内部統制・監査対応」に近づく可能性があり、準備の方向性が取りやすくなる一方、運用負荷は増えることもあり得ます。


5. TPM上場企業が今から備えるべき実務ポイント(開示・ガバナンス・体制整備)

「上場目的の開示」が要請される場合、単に文章を作れば終わりではなく、目的→KPI→評価→対応方針という運用が必要になります。実務的には次の準備が有効です。


(1)上場目的を「分類」し、社内で合意しておく

  • 一般市場へのステップアップ

  • M&A・資本提携の探索

  • 信用力向上・採用強化

  • ガバナンス/内部管理体制の整備


など、自社の目的を明確化し、取締役会や経営会議レベルで合意しておくことが第一歩です。


(2)年1回以上の評価開示に備え、測れる指標を決める

目的が抽象的だと評価ができません。例えば、

  • 内部統制の整備状況(規程整備、承認フロー、月次決算早期化)

  • 資本政策の進捗(株主構成、資金調達の計画)

  • M&A・提携に向けた活動(検討件数、DD実施状況 など)


といった「測れる指標」を用意すると、開示の質が上がります。


(3)J-Adviserとの役割分担を明確に

開示の作成・レビュー、ガバナンス改善、運用チェックなど、J-Adviserがどこまで支援し、会社側がどこを責任領域として担うのかを早めに決めておくと、上場後の運用が安定します。


まとめ:TPMは「多様な上場目的」を前提に、情報の見える化が進む可能性

東証はTPM上場企業に対し、上場目的の開示を要請する方向で検討しており、新規上場時の目的開示に加えて、上場後は年1回以上の実現状況の評価や、未達の場合の対応方針の開示を求める方向です。狙いは、各社のニーズを可視化して関係者との接点づくりに寄与することとされています。TPM上場企業・上場準備企業は、上場目的を言語化するだけでなく、“運用して評価できる形”に落とし込む準備が重要になります。




神戸 公認会計士 決算支援 開示書類作成

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