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在留資格と国外転出時課税の留意点

  • yasuda-cpa-office
  • 2 日前
  • 読了時間: 2分

おはようございます!代表の安田です。


今回は「在留資格」と国外転出時課税・相続税・贈与税との関係についてご紹介します。これは国際的に活動される企業や外国人駐在員の方々にとって重要な論点です。


国外転出時課税とは

国外転出時課税は、株式などの金融資産を1億円以上保有する居住者が国外転出する際に、その含み益に対して所得税が課される制度です。判定の基準は以下の通りです。

  • 過去10年以内に「国内在住期間」が5年を超えていること

  • 転出時に対象資産(株式等)を1億円以上保有していること

ここでいう「国内在住期間」には例外があります。それが「在留資格」に関する取り扱いです。


在留資格と国内在住期間のカウント

出入国管理法の別表第1の1から5に掲げる全ての在留資格(例:外交、公用、企業内転勤など)で在住していた期間は、国内在住期間から除外されます。

したがって、例えば「企業内転勤」の在留資格で日本に滞在していた外国人駐在員の方は、国内に長期間滞在していても 在住期間が5年を超えない扱いとなり、国外転出時課税の対象外となる場合があります。


相続税・贈与税との関係

相続税や贈与税においても「在留資格」は課税範囲を判断する要素となります。

  • 相続税では、相続人・被相続人が国内に住所を有している場合、国外財産も課税対象となります

  • しかし、相続人が「一時居住者」で、被相続人が「外国人被相続人」にあたる場合には、国内財産のみが課税対象となります

  • この場合の「在留資格」も、別表第1の1から5に掲げられるすべての資格が対象です。贈与税についても同様の考え方が適用されます。


実務上のポイント

  1. 駐在員・海外赴任者の帰任・退任時には要確認在留資格の内容によっては、国外転出時課税の対象外となる可能性があります

  2. 相続・贈与の国際取引では在留資格が重要適用範囲を誤ると過大な申告や課税漏れにつながる可能性があります

  3. 企業の人事部門との連携が必須海外勤務者の在留資格や滞在期間を正確に把握し、税務判定に活用することが求められます


まとめ

国外転出時課税や相続税・贈与税において、「在留資格」が国内在住期間や課税範囲の判定に大きな影響を与えます。特に国際的に人材が行き来する企業やご家族の方は、税務上の取扱いを誤らないよう、専門家に相談することをお勧めします。




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