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プライム市場における英文開示

  • yasuda-cpa-office
  • 9月29日
  • 読了時間: 2分

おはようございます!代表の安田です。


今回は、東京証券取引所が公表した「英文開示の実施状況」に関する調査結果をご紹介します。海外投資家とのコミュニケーションを重視する企業にとって、非常に重要な動きですプ。


1. 英文開示義務化の背景

2025年4月から、プライム市場上場会社に対し、決算短信や適時開示情報を英文で同時開示することが義務化されました。これは海外投資家に対して情報の公平性を確保し、グローバル市場での信頼性を高めることを目的としています。


2. 調査結果の概要

東証の調査によると、以下のような結果が得られました。

  • 95%の企業が決算短信を英文で同時開示

  • 48%の企業がIR説明会資料も英文開示

  • 適時開示情報を全文英訳した企業は76%(前年調査より48ポイント増)

一方で、招集通知や有価証券報告書など「その他の書類」については、英文開示の進展がまだ緩やかです。


3. 海外投資家の評価

東証が実施した海外投資家アンケートでは、約9割が「英文開示の状況は改善している」と回答しました。

  • 「情報の非対称性が解消されつつある」

  • 「大企業の開示は国際的に遜色ない水準」

といった声が寄せられる一方で、「適時開示の英文対応にはまだ不満がある」という指摘もありました。


4. 今後の課題

海外投資家からは、次のような改善要望が挙げられています。

  • 英文開示を行なう企業数のさらなる増加

  • 英文開示対象書類の拡大(IR説明会資料・有報など)

  • 翻訳を要約ではなく「全文」とすること

東証も、プライム市場以外への対象拡大や書類範囲の見直しを検討していく方針を示しています。


5. まとめと実務への示唆

今回の調査からは、英文開示が着実に進展していることが確認できました。しかし、依然として改善余地があり、特に「翻訳の範囲」や「対象書類の拡大」は今後の課題です。


上場企業にとっては、英文開示の充実度が海外投資家からの評価に直結します。今後は、義務対応にとどまらず、投資家との信頼関係を深める戦略的な情報開示が求められるでしょう。



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