「継続企業の前提」評価基準が変わる?
- yasuda-cpa-office
- 8月29日
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おはようございます!代表の安田です。
今回は、今後の監査実務や会計実務に大きな影響を与える可能性のある、「継続企業の前提」評価の見直しについてご紹介します。
1. 何が変わるのか?
国際監査基準(ISA570)の改訂を受け、企業が「継続企業の前提(Going Concern)」を評価する起点が変わります。
これまで:期末日から12カ月間
↓
改訂後:財務諸表の「公表承認日」から12カ月間
つまり、評価のスタート時点が後ろにずれるため、企業は 1~3カ月程度、より長い期間をカバーして継続性を検討する必要 が出てきます。
2. 日本における課題
この改訂を日本の基準に取り入れるにあたり、次の課題が指摘されています。
(1)「公表承認日」という概念が存在しない
ASBJはすでに対応を進めており、「財務諸表の公表を承認する権限を有する社内の機関や個人が承認した日」として定義を示しています。
(2)二重評価の可能性
日本では、
会社法に基づく事業報告等
金融商品取引法に基づく有価証券報告書
それぞれに「公表承認日」があるため、同じ会計期間で二度評価が必要になる懸念があります。この点については、一体開示の工夫 や 評価期間の調整(会社法の承認日から金商法の承認日の12カ月後までとする案) によって解決できるのではないかとの意見もあります。
3. 今後のスケジュール
年内:日本公認会計士協会(JICPA)が監査基準改正案を公表予定
来年:金融庁の監査部会で本格的に議論開始
国内基準への反映が具体化していく見込みです。
まとめ
継続企業の前提評価は「期末日基準」から「公表承認日基準」に変わる見通し
評価期間が後ろ倒しになるため、企業の負担が増加する可能性
日本では「公表承認日」の制度設計や二重評価の扱いが大きな論点


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