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「人的資本」の開示が拡充

  • yasuda-cpa-office
  • 11月2日
  • 読了時間: 2分

おはようございます!代表の安田です。


近年、企業の「人的資本」に関する情報開示への注目が高まっています。金融庁は2026年3月期の有価証券報告書から、従業員に関する情報開示をさらに拡充する方針を示しました。今回は、その内容と実務への影響について整理します。


1. 開示拡充の背景

金融庁は2025年8月に開催された金融審議会の会合で、企業戦略と関連付けた人材戦略や従業員報酬の方針を開示対象に加える方針を明らかにしました。これまでの「従業員数・平均年齢・平均給与」といった基本的な情報に加え、企業の人材戦略を財務情報と並んで投資家に示すことを狙いとしています。


2. 新たに求められる開示内容

新制度では、以下の点が追加されます。

  • 企業戦略と関連付けた人材戦略の説明

  • 従業員給与・報酬の決定方針の記載

  • 平均年間給与の前年比増減率の開示

  • 非正規雇用労働者に関する給与決定方針の説明(重要性が高い場合)

特に、飲食業など非正規雇用比率の高い業種では、開示の充実が期待されています。


3. 開示箇所の変更と整理

従来は「企業の概況」に含まれていた従業員情報が、今後は 「提出会社の状況(コーポレート・ガバナンス関連)」の後ろに移される予定です。これにより、経営戦略を確認した後に人材戦略を読むことができ、投資家にとって理解しやすい構成になります。


4. 実務への影響

  • 開示準備の高度化

    人材戦略や給与方針を文書化し、経営戦略と整合性をもたせる必要があります。

  • 非正規雇用の取扱い

    業種に応じて「重要性」を自社で判断し、説明責任を果たす体制づくりが求められます

  • グループ企業への影響。

    持株会社については主要子会社の情報開示も必要となる方向で、子会社管理にも影響が及びます。


まとめ

2026年3月期からの人的資本情報の拡充は、従業員情報を単なる数値データではなく 「企業戦略の一部」として示すことを求める流れです。今後は人材戦略を開示用に整理することが、経営課題の一つになるでしょう。



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