所有権移転外リースと少額減価償却資産の特例
- yasuda-cpa-office
- 2 日前
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おはようございます!代表の安田です。
本日は、新リース会計基準に対応したリース税制の改正点のひとつ、所有権移転外リースと少額減価償却資産の特例適用についてご紹介します。
1. 所有権移転外リースとは?
法人税法上、所有権移転外リースは「賃貸人から賃借人への引渡し時に売買があったもの」として扱われます。つまり、形式上はリース契約であっても、賃借人がその資産を取得したものとして取り扱われます。
このため、取得価額が10万円以上30万円未満のリース資産については、中小企業者等の少額減価償却資産の特例(措法67の5)の対象となる可能性があります。
2. 少額減価償却資産の特例とは?
この特例は、中小企業者等が取得価額30万円未満の一定資産を取得し事業に供した場合、取得価額を全額その年度の損金に算入できる制度です(適用期限:令和8年3月31日まで)。
10万円未満の資産はそもそも一括損金算入可能
他の特例(例:中小企業経営強化税制)を適用している資産は対象外
「事業に供した日を含む事業年度」に全額損金経理することが必要
3. リース取引における注意点
リース資産を特例対象とする場合にも、いくつかの留意点があります。
全額をその年度で損金計上する必要あり → リース料を期間按分し、複数年度にわたって経理している場合は対象外となります
対象は10万円以上30万円未満の資産 → 10万円未満はそもそも一括損金、30万円以上は通常の減価償却
資産取得とみなされるリース取引に限る → 単なる賃貸借とみなされるリースは対象外です
4. 実務への影響
この改正により、中小企業でもリース資産を取得した場合に、従来通り少額減価償却資産特例の恩恵を受けられる道が明確になりました。
資金繰りの改善:一括損金算入により早期に節税効果が得られる
経理処理の効率化:複数年度にわたる按分処理が不要
契約設計の重要性:リース契約の条件次第で、特例適用の可否が分かれる
5. まとめ
所有権移転外リースと少額減価償却資産特例の整合が図られたことで、リース利用が多い中小企業にとって、節税と事務効率化の両面でメリットが期待されます。
ただし、要件を満たさない場合は適用できないため、契約内容や経理処理については専門家の確認が不可欠です。

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