売却予定物件の立退料の消費税
- yasuda-cpa-office
- 3 日前
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おはようございます!代表の安田です。
不動産の売買や開発に携わる企業様からよくご相談をいただくのが、「立退料(明渡合意金)の消費税の扱い」です。今回の事例をもとに整理してみましょう。
事例の概要
株式会社Aが土地付き建物を購入
建物の評価額は0円
ところが、建物にはまだ賃借人が居住していた。
売買をスムーズに進めるため、A社は居住者に立退料を支払った
この立退料は、消費税の課税対象となるのでしょうか?
消費税法上の考え方
消費税の課税対象は「国内において事業者が行う資産の譲渡等」(消法4①)です。資産の譲渡等とは、事業として対価を得て行う資産の譲渡や貸付け、役務の提供を指します(消法2①八)。
立退料は「建物から退去してもらう謝礼的な金銭」であり、資産の譲渡や貸付け、役務の提供のいずれにも該当しないと解されます。
結論:立退料は不課税取引
したがって、今回の立退料は 消費税の課税対象外(不課税取引) となります。また、支払った側(A社)にとっても、仕入税額控除の対象にはなりません。
実務上の注意点
契約書上、立退料の性質が明確に記載されていることが望ましいです
仮に「役務の提供」的な要素(例えば原状回復工事の実施等)が含まれる場合には課税対象となる可能性があるため、内容を精査する必要があります
不動産取引では立退料が高額になるケースもあるため、税務処理を誤ると大きなリスクにつながります
まとめ
立退料は、一般的には 不課税取引 とされますが、実態により課税関係が変わるケースもあり得ます。不動産取引に伴う税務処理でお困りの際は、ぜひ当事務所までご相談ください。

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