参加割合が50%未満の社員旅行
- yasuda-cpa-office
- 9月30日
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おはようございます!代表の安田です。
会社の福利厚生の一環として行われる「社員旅行」は、税務上の取扱いが気になるところです。一般的には参加者が従業員全体の50%以上であれば課税されませんが、参加割合が50%未満でも給与課税の対象外となるケースがあることをご存知でしょうか。
1. 原則ルール
社員旅行の費用を会社が負担した場合、その経済的利益は給与課税の対象となります。ただし、次の要件を満たせば課税されません。
旅行期間が4泊5日以内であること(海外の場合は現地滞在日数)
参加者が従業員等の50%以上であること
この基準を満たせば、通常は福利厚生費として扱われ、従業員に課税されません。
2. 国税庁が示した例外
国税庁は近年、参加割合が50%未満でも給与課税不要とする具体例を公表しました。
旅行期間:3泊4日
費用:15万円(会社負担7万円)
参加割合:38%
この事例では、会社の福利厚生規程に基づき、全従業員を対象に募集され、親睦や勤労意欲向上を目的とする「社会通念上一般に行われる社員旅行」であると判断されました。そのため、参加割合が38%であっても給与課税の対象外とされています。
3. 実務での留意点
参加割合だけでは判断できない
「38%」という数字だけで自動的に非課税となるわけではありません。旅行の目的・内容・負担割合などを総合的に判断する必要があります
福利厚生規程の整備
社員旅行を実施する際には、就業規則や福利厚生規程に明記しておくことで、課税関係が明確になります
役員旅行との区別
役員のみを対象とした旅行や、不参加者に現金を支給する場合は課税対象になるため注意が必要です
まとめ
社員旅行における税務上の取扱いは、「50%ルール」が原則ですが、国税庁の示す通り旅行の実態を総合的に判断して課税不要とされる場合もあることがわかりました。福利厚生の一環として社員旅行を検討する際には、ルールを正しく理解して企画・運営することが重要です。

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