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再生可能エネルギーのFIT制度と消費税の課税関係

  • yasuda-cpa-office
  • 2 日前
  • 読了時間: 2分

おはようございます!代表の安田です。


■ FIT制度における廃棄等費用とは?

FIT制度とは、太陽光発電などの再生可能エネルギーによって発電された電力を、電力会社等が固定価格で買い取る制度です。この制度では、将来的な発電設備の廃棄等にかかる費用を売電代金から毎月控除する形で、外部機関に積み立てる仕組みが導入されています。


■消費税上の「対価性」と課税対象

消費税法では、課税取引となるためには「対価性」が必要です。すなわち、資産の譲渡やサービスの提供に対し、相手方から反対給付として対価を受け取ることが要件となります(消費税法第2条第1項第8号)。

この「対価性」の観点から、廃棄等費用の積立てについては、以下のように整理されます。

  • 廃棄等費用の積立て:電力会社からの売電収入から控除される金額は、実質的に“外部積立金”であり、対価性がない=不課税取引

  • 電力会社からの売電代金の受取り:対価性がある=課税取引

すなわち、売電事業者が受け取る金額と控除される金額は、別個の取引として区分して扱う必要があります。


■実務上の消費税処理

FIT制度における消費税の処理は以下のようになります。

  1. 売上税額の計算:廃棄等費用控除後の売電代金が、課税対象の売上高として計上される。

  2. 仕入税額の計上:実際に設備の廃棄等が行われた日の属する課税期間に、課税仕入れとして処理する。

このように、控除された廃棄等費用はその発生時点では課税対象外であるため、誤って売上や仕入税額に含めないよう、売電明細書の確認が不可欠です。


【まとめ】

再生可能エネルギー事業者がFIT制度を利用する場合、消費税申告において「対価性の有無」に基づいた適切な区分処理が求められます。特に、廃棄等費用については、不課税取引として売上から控除するだけでなく、将来の廃棄時点での課税仕入れとして処理する必要があります。




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