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【2026年3月期】GM課税(グローバル・ミニマム課税)と税効果会計の実務|引き続き「影響を反映しない」取扱いが継続

  • yasuda-cpa-office
  • 3 時間前
  • 読了時間: 3分

おはようございます!代表の安田です。


グローバル・ミニマム課税(GM課税、いわゆるPillar Two)は、国際的な合意に基づき導入が進む新しい国際課税ルールです。


日本でも制度の見直しが続いており、令和8(2026)年度税制改正では、各対象会計年度の国際最低課税額に対する法人税(IIR)などの見直しや、新たな適用免除基準の創設などが予定されています。


一方で、決算実務(税効果会計)で多くの企業が気にするのは、「GM課税の影響を繰延税金資産・負債に反映すべきか?」という点です。結論から言うと、2026年3月期決算でも、GM課税の影響を税効果会計に反映しない取扱いが継続する整理になります。


本日は、その根拠と、今後の見通しを公認会計士の視点で整理します。


1. GM課税の見直しは続くが、税効果の扱いは「実務対応報告第44号」が軸

GM課税制度に係る税効果会計の取扱いについては、実務対応報告第44号「グローバル・ミニマム課税制度に係る税効果会計の適用に関する取扱い」が適用されます。


この実務対応報告では、税効果会計の適用にあたり、通常の税効果適用指針の定めにかかわらず、GM課税制度の影響を反映しないとされています。

つまり、GM課税による将来の追加的な税負担を見込んで、繰延税金資産・負債の測定を調整する、といった方向には現時点では進まない、という整理です。


2. なぜ「反映しない」のか:IAS第12号の“一時的例外”と同様の考え方

この取扱いは、国際会計基準(IFRS)側で示された IAS第12号「法人所得税」の「一時的な例外規定」と同様であるため、国際的な動向に変化が生じない限り継続するとされています。


実務的に言えば、GM課税は制度設計や各国導入の進捗が複雑で、企業側が将来影響を合理的に見積もることが難しい局面があります。そのため、当面は税効果会計の測定に取り込まず、注記等で投資家に情報提供する方向を優先する、という発想に近い整理です。


3. 2026年3月期の結論:引き続き「実務対応報告第44号」を適用

2026年3月期決算についても、引き続き実務対応報告第44号の定めが適用され、GM課税制度の影響を反映しない取扱いを継続することとなります。


したがって、2026年3月期の決算対応としては、まずは

  • 税効果の測定(繰延税金資産・負債、実効税率等)にGM課税を織り込まない

  • ただし、GM課税の対象可能性や制度影響の説明が必要な場合は、開示(注記・リスク情報等)を検討する

という整理が現実的になります(開示の具体論は会社の状況に依存します)。


4. 今後の注目点:IASBが例外規定を「削除」か「恒久化」か判断するタイミング

今後の論点は国際会計基準審議会(IASB)の動向とされており、IASBは、各法域での規則導入状況や企業への影響が十分に明らかになった段階で、例外規定を削除するか恒久化するか判断するとしています。現時点ではプロジェクト化は「時期尚早」としており、利害関係者からの要望も届いていない、という整理です。


このため、少なくとも直近の決算実務では、「反映しない取扱い」が簡単には変わらない可能性が高い、と読み取れます。


5. 実務チェックリスト(経理・開示担当者向け)

2026年3月期の実務では、次を押さえておくと安全です。

  • 税効果計算(繰延税金の税率・測定)にGM課税を織り込まない前提で計算設計を確認

  • グループ内で「GM課税の対象可能性」の把握プロセス(税務部門・海外拠点との連携)を整備

  • 監査対応:実務対応報告第44号を適用していること、検討過程(社内メモ等)を残す

  • 開示:影響見積りが困難でも、制度の状況に応じて説明が必要か検討(重要性判断)


まとめ:2026年3月期は「税効果に反映しない」が基本。変化点はIASB動向を注視

GM課税は制度の見直しが続く一方、税効果会計については実務対応報告第44号により、2026年3月期でも引き続きGM課税の影響を反映しない取扱いが継続されます。今後の変更可能性はIASBの検討次第となるため、制度改正だけでなく国際会計の動向も含めて注視することが重要です。



神戸 公認会計士 決算支援 開示書類作成

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