「ひとり親控除」と「寡婦控除」の違い
- yasuda-cpa-office
- 4月26日
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おはようございます!代表の安田です。
令和2年度の税制改正により、「ひとり親控除」の新設と「寡婦控除」の再編がされました。
これまで、未婚のひとり親や男性の単身者に対しては控除の適用に差があり、公平性に欠けるという指摘がなされていました。今回の改正は、そうした不平等を解消するためのものです。
この記事では、「ひとり親控除」と「寡婦控除」の制度内容と違い、適用要件について分かりやすく解説します。
■ひとり親控除とは?
新たに導入された「ひとり親控除」は、婚姻歴や性別にかかわらず、一定の要件を満たすすべてのひとり親に適用される所得控除です。適用条件は以下のとおりです:
婚姻していない者または配偶者と死別・離婚した者
その者と生計を一にする子ども(所得48万円以下)を有すること
合計所得金額が500万円以下(額面給与収入に換算すると約678万円以下)
事実上の婚姻状態にある者が住民票に記載されていないこと
これらを満たした場合、年額35万円の所得控除が適用されます。
■改組後の寡婦控除はどうなった?
これまで女性の単身者に対しては「寡婦控除」がありましたが、改正後は次のように再整理されました:
子ども以外の扶養親族(親や兄弟姉妹など)を持つ女性
配偶者と死別しており、扶養親族がいない女性
上記に該当する場合は、引き続き「寡婦控除」の対象となり、27万円の所得控除が受けられます。ただし、以下の点に注意が必要です:
所得制限:合計所得金額500万円以下
事実婚に該当する者が住民票に記載されていないこと
■男性のひとり親も控除の対象に!
これまで「寡夫控除」は女性のみに近い制度設計となっていましたが、今回の見直しで、男性でも「ひとり親控除」の要件を満たせば、同様に35万円の控除が受けられるようになりました。
これは、男女間の不公平な取扱いを是正する画期的な変更です。
■適用時期に注意
この改正は、令和2年分以後の所得税に適用されます。また、給与や年金などの源泉徴収に関しては、令和3年1月1日以降の支払いから新制度が適用される予定です。
■まとめ
「ひとり親控除」の新設と「寡婦控除」の見直しにより、税制上の公平性が大きく改善されました。適用対象となるかどうかは、扶養親族の有無や所得額、住民票の記載内容などがポイントになります。

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